2007.03.04

奇想に親しむ

みなさま、明けましておめでとうございます!
本年も変わらぬご愛顧承れますよう宜しくお願いします!
……
……
いや、分かってますよ?
旧正月もひな祭りも過ぎちゃってるの。
でも、まずはここから、ということで。カウンターも着実に増えており、放置していたにも関わらず見捨てずに居てくださった方々には面目の施しようもありませんが、これにて再開です。

まず、《ココログで読める小説群》について。
余裕があれば更新していきたいと思いますが、ほぼ凍結状態であるとお考えください。
これは甲斐の趣味でココログ小説を蒐集していたのであって、趣味は趣味できばらずにのんびり行こうと思います。

現在、甲斐の活動領域はほぼ九割、mixiに移動しています。
日々の雑記なんかはmixiで書いてますし、ココログで甲斐が交流させていただいてる方々で、
「よっしゃ読んでやるけん。見せちみい!」と剛毅な方がおられるなら、
甲斐ミサキ」の名前で検索するとHITしますので、ぜひお越しください。
よろしければマイミクなんかもしてしまいましょう。
mixiでのみ甲斐が管理人を勤めている創作コミュニティもあります。
「クトゥルー神話創作小説同盟」と申します(身も蓋もないな……;)

閑話休題:
昨年夏に物書き交流同盟に参加したことをきっかけに大いに創作環境が変化しました。夏から年末にかけて、五本の短編を書き、今年に入ってからも未公開含め、三本の小説が書きあがっています。
ココログ間でないことが悔やまれるものの、世界観をシェアしあい小説をコラボレートする企画も立ち上がりました。シェアワールド小説も順次、公開していきたいと思います。

初めてのオフ会もしたし、昨年後半は創作活動において、間違いなく転機になったと思います。

閑話休題:
というか本題。
年末年始にかけて、大量に読み散らかしていました。未だ読みきれずに積み読になっているものも数多。
以下列挙。
火浦功:「スターライト☆パ~フェクト」「ファイナル・セーラー・クエスト完全版」
古橋秀之:「超妹大戦シスマゲドン1、2」
阿智太郎:「僕の血を吸わないで」
米村圭伍「風流冷飯伝」「退屈姫君伝」「退屈姫君 海を渡る」「退屈姫君 恋に燃える」「おんみつ蜜姫」
R・A・ラファティ「子供たちの午後」
テリー・ビッスン「ふたりジャネット」
浅倉久志選「グラックの卵」
東雅夫編「クトゥルー神話事典第三版」

「グラックの卵」の後書きで引用されている伊藤典夫さんの言葉を引用する。

「(……)なぜこんなバカな小説に魅力を感じるのか、さっぱりわけがわからなかった。今でもわからない(わかったら身もふたもないような気がする)。しかし、その後いろいろなSFを読んでいくうち、はっきりしてきたことがいくつかある。SFというものは、どれほど科学考証をこらし、まことしやかに書かれていても、どこかにいくつかバカな要素があり、ぼくがSFに惹かれるのはまさにそういう要素があるのだということだった。俗にいう本格SFは、それらがすべて一定の飛躍のレベルのなかにあり、リアリスティックな理論づけによって違和感が隠微されているにすぎない。したがって、理論づけが希薄になり、飛躍のレベルの異なる要素が多くなればなるほど、その作品はナンセンスSFの様相をおびてくるわけである」

甲斐がラファティを今後の生涯も含めて愛してやまないのは、飛躍のレベルがずば抜けて高く、他の追随を許さないからに他ならない。ラファティは意図してコメディを書いていたのではないと思う。ご本人はトールテールだと仰っていたそうだが、それも単にバカを演じる話ではない。
火浦功は奇想という点でもしかしたら、という予感があった。だが、アイデアにおいて既存のもので満足している節がある。
阿智太郎にももしかしたらと思ったことがある。でもバカバカしい話をバカバカしいうちに終始するのは、単なるお祭りだ。一過性のものだ。
古橋秀之。彼は今のところ甲斐の模索する定義において日本人では良い位置にいるのではないか。
先日上梓された「超妹大戦シスマゲドン」が世界最強を決めるS-1グランプリというトンデモな発想から、あれよあれよという間にデタラメな、しかし性質は生真面目な視点で描かれている。
そしてテリー・ビッスン「ふたりジャネット」に収録されている作品。どれを手にしても懐かしい香りがする。
《万能中国人ウィルスン・ウー》シリーズはいうまでもなく、「冥界飛行士」「英国航行中」……
今のところ、彼がその位置にもっとも近い場所に存在している。
なんの位置かって?
ラファティの衣鉢を継ぐものの地位のこと。
飛躍的なナンセンスSFをコメディではなく、真面目におバカな、奇想天外なトールテールを書く者。

閑話休題:

甲斐がクトゥルー神話世界を好むのは、ありていに言えば、そんなバカな的ナンセンスの塊だからです。
バカな発想を科学的考証とするのか、ホラー的な要素で糊塗するのか、それだけの違いです。
上記にも書きましたが、今年に入って三本の小説を書き上げています。不真面目に適当に書いてはいませんが、なんともバカバカしい内容だと自分でも思います。でも元来、そういうバカバカしいお話が大好きなんです。
甲斐を本の虫へと誘ったのは、今は亡き、星新一大先生です。遠回りして、やっと原点にたどり着いたのかもしれません。全ての小説は奇想への道なのだと。

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2006.08.17

霊感の有無を判別する方法

お盆なので祖父の墓参に行ってきました。
血の繋がりがあるとはいえ顔も知らないようなご先祖様の墓参りとは異なり、慣れ親しんだ祖父の墓なので気合い全開。京都の仁和寺近くの風光明媚な墓所で安らかに眠るにはいいのかな。(-∧-;) ナムナム
神仏ではないので、お墓に対して願い事をしてはいけないと母上に言われたのですが、これくらいはと思って話しかけたのが、「元気ならたまに夢の中にでも顔を出してください」って台詞。

「魔界潜入」や、「あなたの知らない世界」、江原啓之の「天国からの手紙」などのテレビ番組は気が付くと観ているものの、甲斐自身は心霊現象というものを実際に体感したことがないので、いまいち本当に存在するのか分かりません。だからテレビで「今、少女の霊が草を揺らしました」とか「あなたの首元に抱きついているよ」なんていう霊能者の台詞を聞いてもピンと来ない。だって視えないんだもん。

甲斐は幼少を大阪夏の陣の古戦場跡で過ごし、その土地は不可解な事故の続発する場所でした。大人たちも「この土地は何かある」と気味悪がっていたのを思い出すし、甲斐自身も火の玉だか霊魂だか得体の知れない発光体が飛んでいるのを目にしたことがあります。その他にも夜中に自分の部屋で飼っているはずのない猫を目撃したり、空間の歪みのようなものを見たことがあります。実際は目の錯覚かもしれないし、リアルすぎる夢を現実と混同しているだけかもしれないのだけれど。でも幽霊はみたことない。

ここで冒頭に戻り祖父に語りかけたのは、「近しい人の霊なら会ってみたい」という動機からで、本心としては、いるならいる、いないならいないで得心できる。怪物やUFOや幽霊や邪神や魔術といった存在も題材としては面白いと思うし、存在するなら夢があるなとは思っても、趣味と現実を混同したりはしない。

霊感は20歳までに視えないと能力が備わらないって聞くけどホントかな。
まぁそんな霊感のない甲斐でもお手軽に霊感が備わっているか判別する(ことが出来るかもしれない)方法を紹介してみる。

おどろ~陽子と田ノ中の百鬼行事件簿~」より

「まず頭の中で、自分の部屋にいるイメージを思い浮かべるんだって。そのとき家には、ほかに誰もいないのね。で、そこから順番に家の中の全部の部屋をのぞいてまわっていって……」
「もし、その途中で、どこかの部屋に自分以外の誰かがいるのが見えたら、その人は霊感が強くて、見える時には見えちゃうんだってさ」


試そうと思ったけど、止めときましたv だって実行して、家の中で何かが見えるようなことになってしまったら洒落にならないので。
もし試すなら他所の人の家で試します。自分の家に何か霊がいるなんて状況はノォサンキュウ。

だからお祖父ちゃん、近況報告なら自力でお願いします(なるべく怖くない方向で……)

おどろ 1―陽子と田ノ中の百鬼行事件簿 (1)
おどろ 1―陽子と田ノ中の百鬼行事件簿 (1)木々津 克久


おすすめ平均 star
star怖いけど優しい。

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2006.07.26

『キタブ・アル・アジフ』についての私見

クトゥルー関係の掲示板を覗いていてふと思うことがあり、
「ネクロノミコン」といえば、20世紀最大の怪奇小説家ラヴクラフトの産み出した輝かしい功績の1つで、最も有名であろう魔道書なんだけど、
最近、「キタブ・アル・アジフ(Kitab Al Azif)」と呼称されることが気になっている件について。
そもそも、ラヴクラフトが産み出したのは、アラブのの狂える詩人アブドゥル・アルハザードが著したとされる「アル・アジフ」という「ネクロノミコン」のアラビア語表記であって、
「キタブ」という単語は備わっていません。
クトゥルー神話は「ラヴクラフトサークル」と呼ばれる作家たちの輪によって相乗的に築かれたものなので、何処かに出典があり、それを知った人たちが「アル・アジフ」の正式名称として使用し始めたのかと思っていましたが、
甲斐の所持している[ラヴクラフト全集]及び[クトゥルー神話事典]、[暗黒神話体系「クトゥルー」]に当たってもその記載はなく、またWEB上を探しても出典らしきものは見当たらず、ただ、「キタブ・アル・アジフ」という言葉のみが独り歩きしてる気がして腑に落ちなくって……。
出典らしき面影があったのは、日本ファルコムさんが発売していたPCゲームSORCERIANの中での記述。氷の洞窟というシナリオの中に言及を見かけたのだけど、それも引用らしく沈没……。
そこで海外にまで検索範囲を拡げてみると、さすが本家。情報が見つかりました。
The Dan Clore:Necronomicon Page
↑サイト内のThe Names Necronomicon and Al Azifから引用。

A variant form, Kitab al-Azif, was never used by Lovecraft and seems to have first appeared in the seventies. The word kitab simply means "book" in Arabic, and appears in many titles in that language. Those who have added it have probably had in mind, however, a specific work. This is the Kitab-al-Uhud, or Book of Power, by Abdul-Kadir, and identified with a book supposedly dictated to Solomon by the demon Asmodeus. Only one copy of this work is known to exist; that copy was tracked down by the Sufi expert Idries Shah, who tells of his search for it in Oriental Magic (1956). This text is mentioned in both the Simon Necronomicon and the Hay-Wilson-Turner-Langford Necronomicon.

機械翻訳及び甲斐の拙い英語力で訳してみた(微妙に通じてなさげだけど……)。
異なる形式「Kitab al-Azif」はラヴクラフトによって使用されず、70年代に最初に現われたように見える。単語「kitab」は、単にアラビア語の「本」を意味し、その言語で多くのタイトルに現われると、それをつけ加えた人々は恐らく心に留めておいた、しかしながら特定の仕事を。これは「Abdul-Kadir」によって、「Kitab-al-Uhud」、あるいは力の本であり、悪魔アスモデウスによってソロモンに恐らく口述された本と一体視しました。これは写本が一部だけ存在すると知られている。その写本は、スーフィー派(訳注:イスラム神秘主義のスーフィー派のことか)のエキスパートの「Idries Shah」(彼は、「Oriental Magic」(1956)中で探索について言及している)によって探し出された。そのテキストは、Simon NecronomiconおよびHay-Wilson-Turner-Langford Necronomiconの両方の中で言及されている。

Simon Necronomiconとはマーク矢崎の『ネクロノミコン秘呪法』のネタ本のことらしい。アマゾンの解説によると、
ユダヤの秘密結社フリーメイソンがひた隠しにした秘中の魔術書『ネクロノミコン』。この書には裏と表があり、恐るべき終末の陰謀が隠されていた。裏と表二つのネクロノミコンの意味するものは終末と救世。そのうち、救世を説く表ネクロが断章になっていたのは何故か?大胆な切り口でその謎に挑んだ著者の表ネクロ初公開の書。あらゆる願望達成の書であると同時に、終末からの回避を説く今世紀最大最期の禁書でもある。ノストラダムスの予言詩と一致する1999年の終末から逃がれられるのは、はたして、限られた人たちしかいないのか?(ショッキング!!!!)
どうみてもトンデモです。ありがとうございました……orz

Hay-Wilson-Turner-Langford Necronomiconの方は、いわずもがな、ジョージ・ヘイ、コリン・ウィルソン、デイヴィッド・ラングフォード、ロバート・ ターナーらが、英国の魔術師ジョン・ディー博士が遺した謎の暗号文書が実はコンピュータ解析によって明かされたその正体が、なんと伝説の魔道書だった……と壮大なでっち上げを見せてくれた『魔道書ネクロノミコン』のこと(あれ? この本持ってるけど「キタブ」って単語見たことない)。

「キタブ」は、どうみても『ネクロノミコン』の便乗商品である偽物と、壮大な釣りである偽典の2冊においてのみ言及されているよう。とはいえ、欧米のクトゥルーを題材にしたカードゲームには「Kitab Al Azif」のカードがあるのを確認したしそれなりに市民権を獲得している言葉なのかなぁ。
ラヴクラフトが用いなかったからと言って、「キタブ(キターブ)」を書名の前に付けるのはアラビア語の文法として正しいものであるし、上記の2冊をラヴクラフトサークルにいれるのは間違いだ! なんてわざわざ声高に叫ぶこともないですが、「キタブ」は「アル・アジフ」の格付けにナイ神父辺りが持ち出してきたものなのかなぁって個人的には思うことにして、「ネクロノミコン」の原題や、原典が「キタブ・アル・アジフ」ではなく、甲斐は「アル・アジフ」を正式名称と考えていきたいと思います(個人の自由なんだけどねー)。
……でも、やっぱりH.P.Lが創造したのは飽くまで「アル・アジフ」であって、WEB上で見かける『ラヴクラフトが作り出した魔導書ネクロノミコンの原本キタブ・アル・アジフ~』っていうのは間違った知識なんだーとWEB世界の片隅で叫んじゃいたい。

追記:
どなたか日本で普及するきっかけとなった「キタブ・アル・アジフ」の出典についてご存知の方は、是非ともコメントくださるようお願い申し上げます<(_ _)>

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2005.09.06

アルスラーンの妃候補者(妄想)

英雄譚
英雄譚

田中芳樹のアルスラーン戦記特集ということで購入したところ、色々と盛りだくさんで楽しめたの巻。
特集は氏の書き下ろし短編「白銀騎士団」から始まり、藤田和日郎氏との対談(この二人、以前に創竜伝でも対談してたよね)やダリューン主人公の外伝マンガ「東方巡歴」、登場人物紹介に会戦ガイド、巻末には来たる『魔軍襲来』の田中芳樹複製生原稿袋とじまで(これはやりすぎじゃないかと 笑)etc.etc
甲斐は挿画については文庫本の天野喜孝Verで読み慣れているので、新書版である丹野忍Verの登場人物紹介でまず度肝を抜かれる。
……ザラーヴァントがごついオッサンだょ。彼って確か童顔がを気に病んでヒゲ生やしたんじゃなかったっけ。故ザンデもずいぶんなオッサン顔に変貌しててナムナム。変われば変わるものである。

さて、今回注目すべきは『魔軍襲来カミングスーン』の記事。
未確認情報として、
★あの娘が帰ってくる?
★バリザードの新しい男とは?
★腕輪娘がもうひとり?
★ナバタイ国、いよいよ実装か?
とある。いよいよ実装か? ってオンラインゲームの告知かーってツッコミを入れつつ、気になるのは、

★あの娘が帰ってくる?

の一行。
アルスラーン戦記の読者ならすぐにハッと閃く彼女がいるはず。
『王都奪還』の最終章でアルスラーンに見送られながら母国に去っていったルシタニアの騎士見習い。
男装の少女。エトワールこと、エステル再登場キタ━━━━━━\(T▽T)/━━━━━━ !!!!!(?)
あくまで未確認の、甲斐の希望的観測なので一応(?)付きで喝采をあげてみる。どきどき
……
……これが故アンドラゴラスとタハミーネとの遺児のことだったりしたらどないしよぅ(;´Д`)

ともあれ、ネット注文済みの『魔軍襲来』がちゃんと9月20日(発売予定)に無事届くことを祈りつつ(-∧-;)

433407619X魔軍襲来 -アルスラーン戦記(11)
田中 芳樹


 

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2005.03.26

《ネットノベルパーフェクトガイド》について

短編小説《カモナ-ヘルハウス》を紹介してくださる書籍、《ネットノベルパーフェクトガイド》の発売が決まったそうなので、詳細を報告。
実は一時期、この本のことについて書いたら「情報は非公開に」と編集部の方に釘刺されて、該当記事は撤収させていました。・゚・(ノД`)・゚・。 (ちょっとだけ凹んじゃったい)
んでは改めて、おおっぴらに公開。

販売元はパソコン関連書出版の《株式会社ラトルズ》さん
タイトル:ネットノベルパーフェクトガイド
定価:1,200円
発行:3/18(配本に時間が掛かる為発売は24日頃の予定)

ということはもう流通してるのかなぁ(Amazon)では検索に引っかからなかったのが気になるといえば気になる(T^T)
見本誌自体がまだ手元にないので、1200円と言う値段が高いかどうかは分からないけど、本屋さんで見かけたらニヤリとしてやってくださいm(__)m

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2005.03.06

愛しきは、追憶の彼方

洋画を観るとき、甲斐は圧倒的な字幕派なんだけど、テレビで流れる海外ドラマは吹き替え派。
DVDになってBOX衝動買いした「アリー・my Love」でも、アリーの声は若村麻由美さんだし。ビリーの声は宮本充さん(そういえば「アルフ」の所ジョージさんもインパクトあったです)。
そうじゃないと何だかしっくりこない。
俳優さんの顔を見ると、声優さんの声が自動的に耳の奥に蘇るというか。

皆さんテレビCMでご覧になったかと思いますが、10年前に放映してから甲斐の魂を鷲掴みにしていまだに離してくれない「X ファイル」があの、オマケ付き菓子のオマケと菓子のどっちがメインだ!? 的な豪華付録付き雑誌の出版社デアゴスティーニから「隔週刊XファイルDVDコレクション」として発売されました。
第1シーズンから最終章の第9シーズンまでの全202話を毎号4話ずつ収録。
各話のエピソードガイドに作品テーマになった超常現象についてのマニアックな解説「ドキュメント超常現象」、収録に関する実在施設や事件の紹介、はたまたローン・ガンマン発行の新聞(マニアだ……でも期待)!? などを紹介する「Xファイルレポート」様々な超常現象についてのトピックファイル、全49冊。定期購読値段では86710円
……この値段にはさすがにヒキましたが、DVDBOXで購入するよりは格安なのかなぁ。でも定期購読するのは財布が痛すぎるので創刊号だけ購入。

Spooky(変人:直訳は気味の悪いorz)モルダーと超常現象懐疑主義のスカリーとの出会い「序章~Pilot~」を皮切りに、
モルダーに「首を突っ込むな」と忠告に現れる謎の男が登場する「ディープ・スロート~Deep Throat~」、
30年に一度、冬眠から目覚めて5人の人間の肝臓を喰らうミュータントが起こした完全な密室事件「スクィーズ~Squeeze~」、
モルダーがXファイルにこだわる理由、妹のサマンサにまつわる誘拐事件の全容が明らかになる「導管~Conduit~」の4話。
1stシーズンは脚本が手探り状態だったと聞くけど、この頃から全シーズンの根底に共通する「UFOと政府の陰謀説」がもうアクセル全開で、収録4話のうち3作品までがそう。
未確認生物(UMA)や心霊現象や突然変異体のほうにこそ萌え(萌えは主観だよ)を感じる甲斐としては、ちょっとショボン。とりあえずユジーン(肝臓喰いの突然変異体)には萌えたv(何度でも言うけど「萌え」は主観だからー;;)

で本題。
わくわくしながらDVDを観たらしっくりしないんです。なんか声が……テレビ版と違う。
モルダーなのに、やたらと格好よくて芝居がかってるし、スカリーの声がやたらと色っぽい。
ちょっとググる……。
……モルダーが風間杜夫さんじゃなくて、小杉十郎太さんだってぇー?!
……スカリーが戸田恵子さんじゃなくて、 相沢恵子さん??
モルダーは訥々としてもっさりで飄々としてぶつぶつ声の風間モルダーでないと。モルダーはこんな色男ジャナイヨ
スカリーはシャキッとした張りのある凛としてちょっとオバサンっぽい(失礼な)戸田スカリーでないと。

友人は「小杉モルダーのがいいやん」って言ってたけれど、イヤン。「アリー・my Love」で小杉さんが充てた守銭奴リチャードははまり役だったけどさ。
ぅぅぅ、慣れるまで時間かかりそうです(字幕観れ! てのは無しの方向で)。
刷り込みってのはやっぱりあるんだと思った甲斐でした(T^T)

追憶の彼方、懐かしい風間モルダーと戸田スカリーに哀悼と敬愛を。

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2005.02.27

ラブレーに乾杯

ガルガンチュアとパンタグリュエル (1)
ラブレー

筑摩書房 2005-01
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幼い頃、読書の虫に何を食べさせていたかなと考えてみたところ、思った以上に身近な存在だったのがフランス文学でした……。

と書くと、なにやらキザったらしく思えるけど、全然そんなことはなく、
例えば、サン=テグジュペリの《星の王子さま》や《人間の土地》、
アレクサンドル・デュマの《三銃士》、
ジュール・ヴェルヌの《海底二万里》や《十五少年漂流記 》、
ジャン・コクトーの《恐るべき子供たち》。
そして作者を知らなくたって物語の主人公だけは誰もが周知(「不~ニ子ちゅあ~んっ」の一世の人)の、モーリス=ルブラン作《怪盗紳士》。
こうやって並べると冒険小説の殆どがフランスのお話だったんだと感心しちゃうのですが、
最強のお1人をこれまで、(しかも読まず嫌いで!!)見逃して何たルチア、サンタルチア。

その名もフランソワ・ラブレー。フランス・ルネサンス文学を代表する作家です。

彼の名前を知ったのは、甲斐が敬愛してやまない至上最高のSF作家R・A・ラファティ》が、《アメリカ版のラブレー》と、そう評されていたのが最初。

つぎの岩につづく
R.A. ラファティ R.A. Lafferty 伊藤 典夫 浅倉 久志


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このとき逆説的だけど、「ラファティがこれほど面白いのだから、ラブレーという人の作品はどんなに面白いんだろう?」と。
とはいえ、この時点では思っただけで、調べてみれば470年以上前の古典文学だと知り、華麗にスルー。
先日、《ラブレーの「ガルガンチュアとパンタグリュエル」に新訳》と新聞で読み、意を新たにお取り寄せ。
久々に骨が折れるも楽しい読書でした。
さて、この《ガルガンチュア》。
架空の巨人国に生まれたガルガンチュア王子が、成長する過程(主に教育)を辿り、ついには祖国の戦争に参加し見事に収めるまでの、一言で言ってみれば《騎士道物語》なんですが、冒頭で作者自身が、
本書を読んで、つまずいてはなりません。ここには悪も腐敗も含まれてなどおりません。正直なところ、ここで学ぶものといったら、笑いをのぞけば、ほかに利点はございません。(中略)なにしろ笑いとは、人間の本性なのですから。
と断言しきるほど満ち溢れた諧謔(かいぎゃく:こっけいな言葉)に読む方も一筋縄ではいかず、また当時の世相(主にカトリック権力)を痛烈に皮肉ったり、政治風刺をやってのけるものだから、《出版禁止令》を出されたり、指名手配も同然にラブレーは追い掛け回されていたそうな。

閑話休題。

テクストに潜む風刺をひねくり返すまでもなく、十分にキテレツな小説で、と言うもの、しょっちゅう本筋からの脱線があって、
例えば《22章:「ガルガンチュアのお遊び」》では217種類ものの遊びの名前が列挙してあるだけだし(カードゲームや積み木遊びは分かるけど《おお食らい》とか《お尻の塩漬け》ってなんですか)、
《13章:「グラングジエ、ある尻ふき方法を考案したガルガンチュアのすばらしいひらめきを知る」》にいたっては、
五歳のガルガンチュアが考案した、お尻ふきに一番適している方法を父親に説明するというもの

「ぼくはね、長いあいだ、熱心に実験をくりかえして、これまでにはない、なんともみごとで、具合もよくて、高貴なお尻のふきかたを発明したんですよ」

高貴なふきかたって……orz
ビロードのスカーフから始まって、マフラーや三月ネコ(!?)、キャベツやレタスにホウレンソウ、ベッドのシーツやカーテンやクッション、おんどりにめんどり……
……皆さん、ちゃんとついてこれてますか^_^;
ガルガンチュアが一番最適とした方法はなるほど、一国の王子のような金持ちにしか無理じゃないかなーと思うけど、金持ちでも試すかどうかは疑問が。正解はどうぞご自分の目でご笑納くださいませm(__)m


追記:記事中の語彙や引用文は、新訳に取り組まれた宮下志朗氏の訳文、あるいは解説を参考、引用させていただきました。

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2005.01.27

暗黒神話の聖典、完結

 それは銀の鍵の門を越えるが如く、15年もの時を乗り越え、とうとうその全貌が明らかになる時が。
 そう、全国のラヴクラフティアンが待ち望んだ一冊! 二十世紀最後の怪奇小説作家H・P・ラヴクラフトの小説を纏めた全集の最終巻が先日発売されました。もちろん、いあー! と即購入。
ラヴクラフト全集7
H・P・ラヴクラフト 大瀧 啓裕

 
 思えば初めて読んだ恐怖小説はラヴクラフト全集 (1)創元推理文庫でした(この頃から、甲斐の素行が怪しくなったと友人から指摘)。初めて「インスマウスの影」を読んだ時の衝撃を(難読さも含め)今でも忘れていません。
 ラヴクラフトはポオダンセイニマッケンといった流れを汲むゴシックロマンスを受け継いだ作家で、時に形容詞を多用しすぎるきらいはあるものの、独特の超自然的、宇宙的な広がりを持った世界観(のちにダーレスがクトゥルー神話として編纂する奇妙な語彙群)に気づけばどっぷりと浸かってました。未だに溺れてます。
 さて早速、気になる7巻の内訳を。
 「サルナスの滅亡」 「イラノンの探求」 「木」 「北極星」 「月の湿原」 「緑の草原」 「眠りの神」 「あの男」 
 「忌み嫌われる家」 「霊廟」 「ファラオとともに幽閉されて」 「恐ろしい老人」 「霧の高みの不思議な家」の13作品が名を連ねています。
 ほかにも初期作品として「アザトホース」(キター!)という断章がのっていたり、資料としてラヴクラフトが夢で見、物語としてまとまりがある、もしくは小説の母体となったものの原型が「夢書簡」として抜粋されており、最終巻として相応しい内容ではないかと思います。ちなみに夢書簡自体を取り上げた「夢魔の書」も、全集の訳者である大滝啓裕さんが編集を担当しておられます。
夢魔の書
 彼がアラブやエジプトに対して強い思い入れを持っていたのは《ナイアルラトホテップ》という語彙や、アラビヤンナイトを読んでアラブ人になりたかった幼いラヴクラフトに、大人が《アブドゥル・アルハザード》という名を授けてくれた、という逸話で有名ですが、
 読んでいて新たに、この巻ではラヴクラフトの、ギリシャ・ローマに対する憧憬がラテン語の文字表記などを介してうかがい知ることができました。
 ……まさかアポロンやヘルメースって単語を目にするとは(なぜか《ネメシス》だけはしっくりとくる 笑)。
 
 一度、ラヴクラフトの著書に触れてみてはいかがでしょうか。宇宙幻想年代記の虜にきっとなるはずです(経験者談)。  

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